本の旅日記その1

お久しぶりです。

 

ブックランドあきばです。

 

今年の5月31日に高島店、

7月21日に倉敷大高店が閉店となり、

これですべてのあきばの実店舗が

なくなってしまいました。

 

高島店が11年、大高店が32年、

それぞれに重みのある時間を

地域の方々と

共有させていただきました。

 

ここでかんたんに

自己紹介させていただきます。

 

この日記を書いている私自身、

これまで大高店で

勤務させていただいておりましたが、

閉店に伴い「宅くん」のメンバーに

加わることになりました。

 

実店舗とは違った業務を

少しずつ日々吸収させてもらいながら

勉強させてもらっています。

 

この日記ではわたしが

「あきば」で過ごしてきた時間と

その間に起きた出版業界のこと、

本というものとのつながりなど、

私の人生を通じて経験した本について

書かせていただこうかと思っています。

 

さて、歳は今年の8月で

40代後半(?)になります。

 

阪神大震災の起きた年に

1年長く通った

関西の大学を卒業したあと、

もともと実家のあった

岡山で就職しました。

 

そこでお世話になったのが

「ブックランドあきば」です。

 

当時はバブルがはじけた直後で、

いわゆる就職氷河期と

呼ばれたような時代でした。

 

自分の親は製薬会社の

大手に勤めていて、

就職に関しては

かなり意見の食い違いがありました。

 

留年してただでさえ

不利な立場でしたが、

大学は関西でまあまあ有名な

私大だったこともあり、

ベネッセの就職試験で

最終の東京まで行けたこともありましたが、

落ちました。

 

親のコネで医療系の企業の

面接も受けましたが、

どこかしっくりとこず

それが相手にも伝わったの

かそこも落ちました。

 

自分が何をやりたいのか

考えたときに

どうしても本をあつかう仕事を

したいという気持ちが

なぜか強くありました。

 

子供の頃から本が、

特にマンガが好きでした。

おもちゃなどには見向きもせず

本屋で紙のにおいを

かいでいられるのが幸せでした。

 

 

0001151053

 

 

秋田書店がサンデーコミックというのを

出していた時代で、

「サイボーグ009」や「仮面ライダー」など

本屋さんで、今とは違って

シュリンクされていないマンガが

つみあがって置かれたのを

みると無性にワクワクしたことを

おぼえています。

 

初めて好きになった女性キャラクターは

「CAT’S EYE」の瞳です。

 

 

56-2

 

 

子供の頃は感受性が強かったのか

最終巻を読み終えたとき、

もう俊夫と瞳に2度と

会うことはできないのだという現実に、

寂しくてつらくて苦しくなりました。

 

本当につらくて

そんな気持ちになったことは初めてでした。

 

これが喪失感というものだと学びました。

 

今では考えられませんが、

それほど一つの作品とキャラクターを

心から愛することができした。

 

いつか自分もそんなふうに

人の心を動かせるような物語を

生み出してみたいと思いました。

 

たぶんそのあたりのことが

自分が本というものに

強く執着するようになった

起源なのだと思います。