素敵な児童書をご紹介します。
『どろぼうのどろぼん』
斉藤 倫 (著) 、 牡丹 靖佳 (イラスト)
(福音館創作童話シリーズ) 税込 1,650円
作者の斎藤倫さんは、詩人です。
読んですぐに
「これは他とは全く違う」と思いました。
詩人の方が紡ぐ言葉と表現のひとつひとつがとても面白く、独特で、
文章の隅々まで神経がピンと張っているような印象。
緊張というよりは
洗練された美しさ、静寂、
そして大きな温かいブランケットに包まれるような心地よさがありました。
物語も独特です。登場人物も個性的です。
どろぼんはどろぼうの天才。
どろぼんは「もの」の声を聞くことができる。どろぼんは絶対に捕まらない。
そんなどろぼんを捕まえた刑事がどろぼんの秘密を聞き出すお話です。
どろぼんのこれまでの人生で起こった出来事が気になって、
あっという間に読めてしまいます。
児童書ですが、どちらかというと
いろんな本を読みこんできて、新しい何かに出会いたい大人の方におすすめします。