追悼 谷川俊太郎さん
詩人の谷川俊太郎さんがお亡くなりになりました。享年92歳でした。
現代の日本で、なかなか詩に触れる機会がない方もいらっしゃると思います。
名前は聞いたことがあるけど、読んだことあったかな?という方も、
教科書や新聞など、きっと人生のどこかで
谷川さんの作品に出会ったことがあるはずです。
「朝のリレー」という詩は、昔テレビCMでも流れていたので
覚えている方も多いと思いのではないでしょうか。
翻訳家としても類まれなる才能を発揮されています。
スヌーピーのキャラクターが登場することで有名な、米国の漫画『ピーナッツ』や、
レオ・レオニの『スイミー』の翻訳もされています。
私は子供に絵本を読むようになって、
たくさんの絵本も手掛けられていることを知りました。
谷川俊太郎さんが文章を書き、イラストを和田誠さんが手掛けたこちらのふた作品。
どちらもとても好きな絵本です。
短い文章で、すっきりと綴られている言葉が
子どもには分かりやすく、
大人にはじんわり心に沁みます。
『あな』は男の子があなを掘る、ひたすら掘るという絵本。
それだけ聞くとシュールなのですが、
なんとも深い哲学書のような絵本なのです。
スマホが普及し、誰もが雑多な文章を読んだり書いたりする現代において、
「本物の文章」「洗練された文章」を味わうことは
とてもよい体験になり、肥しになると感じます。
まさに言葉の魔術師である詩人、谷川俊太郎さん。
数多くの素敵な作品をありがとうございました。
心よりご冥福をお祈りいたします。