本の旅日記その6

本屋で働いていて、

やはり良かったことと言えば

本に救われることがあったということ。

 

おととしの冬に父が脳挫傷で倒れ

救急病院に搬送され意識障害というか

言葉もうまく出てこないという状態になった時に

出会った本がこれでした。

 

「脳が壊れた」鈴木大介

 

81ST++MytpL._AC_UY218_ML3_

新潮新書 858円 2016/6/16発売

9784106106736

 

今まで経験したことのない出来事に

家族として何が出来るのか

本当に悩み、

頭の中、真っ白で・・・・

 

そんな時、お店で品出ししていて

偶然出会いました。

 

正直、回復の見込もあやしく、

医者からは高次脳機能障害ですと言われ、

ほぼ記憶が残らないような状態で

これからどうなっていくのだろうと途方にくれる感じでしたので

すがる思いでこの本を読みました。

 

この本の著者はもともと文筆業が仕事なのですが、

驚くべきことに

当の本人が、はたからはよく理解できない

高次脳機能障害という

状態になったうえで

それを一冊の本に

まとめて伝えてくれているというものでした。

 

おそらく世界ひろしと言えども

高次脳機能障害になった人間が自分で

その病気を本にまとめて発表しているようなものは

まず他にありえないと思います。

 

本当に奇跡的にこのタイミングで

この本と出会えたことは

本屋で働いていなければ

ありえなかったと思います。

 

おかげさまで、その後、リハビリを経て

二年近くたった今では

若干言葉の言い間違えなどはありますが、

(マヨネーズをドレッシングと呼んだり・・)

 

以前よりうるさいくらいしゃべるようになり、

たまご焼きも焼けて

カレーも作れるほど

回復しました。

 

本との出会いに救われることって本当にありますね(^^)