本の紹介・「その女アレックス」
文春文庫「その女アレックス」
ピエール ルメトール 979円
少し前ですが2014年のミステリー海外部門の話題作です。
当時史上初の海外ミステリー部門6冠達成とか、
日本国内でも「このミステリーがすごい」「週刊文春ミステリーベスト10」など
軒並み1位を総なめにしました。
それほどの作品ならばどんなものかと気になってはいました。
とりあえず冒頭部分のみですが
読ませてもらいました。
なのでミステリーにつきもののネタバレとかは
心配ありません。(読み切っていないので・・・)
はじめに登場人物の描写にかなり念入りに時間を割いていて
それがまずこの作品に引き込まれる魅力なのかなと感じました。
特に最初に事件に巻き込まれる
アレックスの内面(心の声)が少し描かれた後の
ふいに出くわす残酷な展開、
無意識に感情移入せずにはいられない、
連鎖的に襲ってくる速い状況の移り変わりと
短い文節でのテンポの良い文体で先が気になります。
とにかく少し読んでみただけでも
この先の結末が気になりました。
ミステリーとしてすでに評価が定まった作品ですが
物語としての読ませる力も
訳者の力量を含め、
素晴らしく仕上がっているのではないでしょうか?
注!(いくらかグロイ描写もあるようですが)
興味をひかれた方は是非ご一読を!!